10.1 勉強中の音楽はアリか?

更新日 2021年5月29日


モーツァルトでIQテストの結果がアップ

「勉強中に音楽は聞いていいのか?」は気になるところと思います。


1993年と古い論文ですが、アメリカのUCI大学で、こんな実験が行われました。

36人の大学生が3つの状況でIQテストを受けました。
①無音でテスト
②リラックス動画を流しながらテスト
③モーツァルトを聞きながらテスト


IQテストの結果は
①無音が110
②リラックス動画を見ながらだと111
③モーツァルトを聞きながらだと119
でした。



なんとモーツァルトを聞きながらテストを受けるだけで、IQが8も上がったのです。

ただし、IQが上がるのは一時的で、効果は15分程度しか持続しないことも分かっています。


この論文の発表以降、音楽と勉強の関係はちょっとしたブームになり、多くの研究がされました。

例えば2011年にフランスの大学で、講義中に音楽を流したところ、無音に比べて19%も点数がアップしたとのことです。

音楽が頭をよくするのではなく、音楽に勉強のストレスを緩和する効果があるからでは、と推測されています。



歌詞ありの音楽はできれば避けた方がいい

モーツァルトはプラスの効果があるとして、皆さんが気になるのは、歌詞入りの好きな曲を聞きながら勉強してもいいか?だと思います。

アンケートの結果を見てみると、第一志望に合格した人は、不合格だった人よりも、自習中に音楽を聞いていない人が多かったです。




仮に、合格した人の習慣が正しいとすると、できれば自習中は音楽を聞かない方が合格に近づく確率が高そうです。
(他の要因もあるので一概には言えませんが、少なくともこのデータからは歌詞ありの音楽を推奨することはできません)


合格者の中にはこんな意見もありました。
「英語や国語のときは聞かないようにしていたけど、数学や理科のときは聞いていた」
「気分が乗らないときは音楽を聞いて、気分が乗ってきたら音楽をやめるようにしていた」




自分で色々試して、ルールを決める

ここまでの結論としては、クラシックなどのBGMならばよさそうだが、原則として歌詞入りの音楽を聞かない方がよさそう、です。

どうしても歌詞入りの音楽を聞きたい場合は、気分が乗るまで、などルールを決めて聞くといいと思います。


個人差もあるので、色々試して自分が集中できる環境を見つけたらいいと思います。

ただし試験本番は音楽はかけられません。試験が近づいてきたら、無音で勉強するのに慣れた方がいいと思います。



本コラムのまとめ

  • モーツァルトなどのBGMを聞くと、IQが上がった、成績が上がったという実験がある。
  • 歌詞入りの音楽はできれば避けた方がよさそうだが、「気分が乗るまで」などルールを決めながら、自分が集中できる環境を探してみるのがオススメ。
  • 試験本番は無音なので、試験が近くなってきたら無音に慣れるようにする。